休日の夜更け、まてちゃ が「恐れ入谷の鬼子母神、あと何だっけ?」と訊ねる。 典型的なダメ九州男児の田舎者である いっぷく には答えられるワケがない。 しかし、いっぷく の記憶によれば「きしぼじん」でなく「きしもじん」だったはずで、 お互い譲らず、インターネットで調べてみて、どちらも正しいことで一件落着した。 件の「あと何だっけ?」を引き続き調べると「びっくり下谷の広徳寺」だそうである。 それどこ?と調べると「江戸の頃の近所(浅草・下谷付近)」というページによれば、 現稲荷町(下谷稲荷)の北、上野警察・台東区役所の周辺を占めていたらしい。 このページで目をひいたのが、「佐竹商店街」というアーケードの商店街である。 いっぷく がまだ20代前半の頃、元浅草の会社に半ば棲みついていたのだが、 仕事がひと段落する夜更けに、佐竹商店街の南端の赤提灯で晩メシを食った。 血気盛んな男衆がひと仕事を終えた酒の入った席、閉店まで語り合ってしまう。 店を出る頃には、アーケードも黄色い常夜灯だけになり、それでも立ち話をした。 懐の暖かい時は三味線堀の寿司屋へ行き、元社長の爺さんにご馳走になった。 昼間にはそれなりに賑わっていて、何やら音楽を放送していたりするのであるが、 聞きなれない妙に地味な曲なのに、小学生の母子連れが一緒に歌っていたので、 弁当屋のおかみさんに尋ねてみて謎が解けた。台東区の歌なのだそうであった。 商店街中ほどに唯一あった喫茶店では、ママに「ブレンド」と注文したら全く通じず、 TVゲームの麻雀卓に興じていた常連風のオバハンが「ホットのことだよ」と訳した。 さてさて、まてちゃ の話で全く理解不能なのが「へいだのおかねさん」伝説である。 人一倍働き者の嫁だが人一倍食い意地が張り、おひつを抱えて亡くなったらしい。 こちらのほうは、さしものインターネットといえども何一つヒットしなかった。残念っ。 いっぷく
by nekoyasiki_ippuku
| 2005-06-04 23:46
| 喜怒哀楽
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