河童(0^~^0)

まだ鬼太郎カテゴリーでひっぱるのか?という向きもおられましょうが・・・。

私が河童と出逢ったのは、大雨の日、昼日中であった。季節はちょうど今頃。
雨は容赦なく土砂降りで、仕方なく、愛馬ではなく電車で出社する途中だった。

いや、今思い出すと、「不具合があったから出てきやがれ!」ってユーザーという神様のお声を聞いて、出張る最中だったかもしれない。
その土地は、江戸時代から水運が盛んな土地で今でも「五河岸」の地名が残っている。


「船着場の息子殺し。あれ、とうとう出てこなかったよね?」
「ありゃ、船頭の○○んに決まってる」
「警察もいっぱい来たけれど。新聞も来たよね。いく年になる?」
「もう20年さ。やられたほうもやったほうもずっと居る。動けんのだろうけど、しらっとしたもんさ」
土地の年寄りのそんな話しを聞いた前だったか、後日だったか。







傘を差していて、傘が重くなるほどの雨。ただひたすら、上から下にぶちまける。
アスファルトで跳ねた雨がひざまで濡らしていく。昼だというのに、暗い。
こんな日に出る事をちょっと呪って、私は傘を低く持ち、視線を足元に落として歩く。
音といったら、雨の音しかしない。
角を曲がると細い道の片側は塀が続き、反対はのどかな畑。車も人気もない。ますます空は暗くなる。

少し歩くと、私の足音以外に誰かの足音がすることに気づいた。
はぁ、お気の毒なこって。この大雨に何の用事だ?
しばらく歩くも、誰かの足音は私との距離を縮めない。
でも、確実に私の後をついてきている。・・・ぴょこたん。・・・ぴょこたん。足が悪いのか。
ザァーというより、ガァーに近い雨の音。
でも、音はついてくる。雨のせいか、畑のせいか、なんとなく生臭い匂い。

何んという根拠なしに私には、後ろの人物の姿が見えた。
70代から80代のお爺さん。背が低く、薄めの頭に、水色系の横しまのシャツを着ている。
引きずるのは、右足。足元ははだし。
傘も差さずに私の後ろに居る。
なんと鮮明なイメージだろう?見ていないのに、見えたというのは、思いこみに違いないのだが・・・・。

私の頭の中で、ひな鳥の目元のような・・・わかるだろうか?鳥のまぶたを想像して欲しい。
上下から皮膚が合わさる感じの目。その目がいっそう細くなって、薄い唇の端が
ほんの少し上がった。

「見たか?」そんな声がしたようだ。あるいは、ギーッとか、シィーッだったかもしれない。音がした。

「え?」声に反応して、慌てて振り返った。
路上は雨がたたきつけるばかり。
片側は塀で、反対には畑。はるか先まで人家はない。曲がる道もない。そこには何も存在しない。

すぅーーっと血の気が引くとともに、確証した。

「河童だ!」
河童を見てしまった!
濡れた足元も、慌てて落とした傘から守られなくなった肩も、心の底からくる寒気に冷たいを通り越した感覚になる。
傘やらカバンやらを手に持ち直すも、しばらく足がすくんで動けなかった。足を動かすのもためらわれる寒気に襲われた。

どうしよう?何かされたのかもしれない。このままじゃいけない。でも、どうすれば??

やがて、細い道の向こうから、農家の軽トラックが明かりを点してやってきた。
避けるために、やっと動くこととして、私は何も起きていないことに気づく。
誰もいなかったし、何もなかった。
ぼんやりと、通りすぎる車をやりすごして、軽トラックの荷台に水色のシートが掛かっているのを見た。頭の中にあった水色の横しまに似てる?
「まさかな。あの下に居るってことはないよね」再び寒気がした。


土地の年寄りの話しには続きがあった。
「船頭は、河童の筋だから」
「あー。あそこらの出は皆、そう言うね」突き放すように言い放って年寄りは会話を止めた。

この土地には、かつて室町時代築城の堅牢な城があり、多数の堀割りがあった。
河童伝説があり、河童の歌まである。
古い土地なので、民話・伝説で本が出版されているほどだ。


夜、床についても、あの張り付いた薄ら笑いが頭から離れなかった。疲れていた。幻覚やら、幻聴が聞こえるほど疲れていたんだ。存在しないものが見えるわけがない。

誰かに言って楽になろう。翌朝、会社で思い切って
「河童を見ました」と言ってみた。
・・・・・・・・・・・・。
「あー。あそこね。出るからね」意外と明るい返事。

社長一家はこの土地の地の人間。代々、米屋を営むお大尽の家の出だ。
○○1小、○○1中、○○高校と土地の名の付く学校の出。

「見ちゃいましたが・・・」
「害はないだろ?昔、祠に閉じ込められた人も居たらしいけど」
え?
「大丈夫だよ。昔っから出るから、あの爺さん・・・

え?

・・・・社長も見たんっすか??

伝承や妖怪とともに暮すこの街が好きだ(笑) (0^~^0)

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by nekoyasiki_ippuku | 2006-06-09 14:06 | 鬼太郎


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