家が完成するまでの間、毎週、新居のある田舎まで往復した。半年の間、ほぼ毎週、二人で見に行った。 営業のNさんも、不動産屋の社長さんも、監督さんも、現場でがんばってくださった大工の棟梁さんと息子さんも、他、色々携わってくださった方々も、本当にありがとうございました。 何よりも私たちが嬉しかったのは、週末に見るたびに、みるみる出来上がっていく家があったこと。 いっぷくも私も仕事に忙殺されながらも家の数々の打ち合わせに参加し、くたくたになりながらも、先週よりも確実に完成に近づく家を見てほっとした。 週末に成長した姿を見せる家は、その後ろに、大工さんや多くの人々が手をかけ、汗を流した結果である。 週の中で、仕事をしながら諍いがあったり、ふてくされたり、疲れてへとへとになった、どの時間かはわからないのだけれど、その同じ時間、誰かがこの家のために仕事をしてくれていたこと。寒い中、盛んにハナをすすりながら、がんばってくれた棟梁かもしれない。軽口をたたいていた、塗装屋さんかもしれない。家の中にゲンノウや、電動ノコや、掛け声、にぎやかな音が行き交い、生き生きとしていた時間があったこと。 その成果が、こうやって完成につながっていく。 ふてくされて、へこたれて、打ちひしがれた、心と身体にふっと息を入れてくれるようで嬉しかった。 だから、どんなに疲れても忙しくても、私たちはこの現場に通い続けた。力を分けてもらいに。疲れた心と身体を癒してもらうために。この家を見にくることが私たちの週末の楽しみだった。 引渡しが終わった後、障子の一部の桟が、少し当たることに気づいた。いっぷくが気づき、私が、監督にクレームを入れることとしていたが、仕事に忙殺されたまま、連絡しないでいた。 次の週、障子の近くに小さな カンナクズを見つけた。試してみると、障子は当たることなく、スルスルと動く。誰か職人さんが気づいて、カンナをかけてくれた。 もう引渡しが終わり、誰も手をかけないと思っていたこの家の小さな不具合を気にかけてくれていた。この一週間のどの時間だろう?思い返すとまた、むずがゆいように嬉しかった。慌てて、クレームの電話を入れなかったこと、結果オーライとした。 22日に、新居に出向くと、その日に玄関脇の飾り格子の取り付けと階段の飾り棚のアクリル窓のために馴染みの棟梁と監督、職人さんが新居に来てくれた。 久しぶりに活気のある現場が帰ってきたような気がした。皆がこの家のことを気にかけてくれた日がよみがえった。嬉しかった。 私たちもこの家にほれ込んでいるが、それ以上に職人さんたちがこの家を気に入ってくれている。本当に嬉しかった。ありがとう。
by nekoyasiki_ippuku
| 2007-02-23 22:21
| 田舎暮らし
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